2022年2月25日
本記事を書いた、広報班の桑原です。学生の皆さんは春休みをどうお過ごしでしょうか?私は徹夜をするなどして生活習慣が崩壊しています。今日も深夜5時に寝て13時に起きました。また、先週総合型入試の合格発表があり、このブログをご覧になっている新入生もいると思います。
今週から始まるブログリレーでは、履修登録の方法、おすすめ授業の話などの新入生お役立ち情報や、私たちが所属するTPGとはどのような団体なのかについて隔週で紹介していきます!
今週のテーマは『新入生のパソコン選びについて』です。パソコンは東工大に限らず大学生であれば、Zoom授業、レポート作成や研究利用など様々な場面で活用されて、切っても切り離せない存在です。今回は、大学生になってから初めて自分のパソコンを持つという新入生のために、パソコンのスペックの見方を確認、TPG内のパソコン事情を元にどういったスペック構成が良いのかを紹介しようかと思います。
ちなみに私のパソコンはLenovo社の24,800円中古ThinkPadを8GBメモリに換装したものです。古めかしいですが動作がカクカクといったことはありませんよ。
パソコン初心者にとって、パソコン購入の前に立ちはだかる壁が”スペック”です。皆さんはスマホを購入する際にどのくらい性能を考慮に入れますか?ほとんどの方は画面の大きさ、ベゼルの小ささなどのデザインを重視して、スマホ内部のコンピュータの性能を考慮に入れないと思います。しかし、スマホのスペックを考慮に入れなくても、内部のコンピュータが限界を超えないように設計されているため、どんなアプリでもカクカクせずに楽しめると思います。Appleの公式サイトでスペックを見てもらえばわかりますが、”あるか無いか”の機能が多く、比較しやすいですね。
一方で、パソコンはOS、CPUやRAMなど比較するためのある程度の知識がないと何が良くて何が悪いのかが分かりませんね。しかも、スマホのコンピュータよりも無理が効く設計なので、目的に不十分なスペックだと特定のアプリが正常に動作しなかったり、カクカク動作になったりして大変なことに…。
そこでパソコンのスペックでよく出てくる専門用語や数値の見方を身に着けて、パソコン選びで大学生活に先手を取りましょう!
以下は私のノートパソコンのスペックで主要なものを抜き出したものです。パソコンを買うときは、以下の5要素で比較するとよいでしょう。
OS Windows 10 Home 64 bit
CPU Intel Core
i5-4200U
メモリ(RAM) 8GB(DDR3 1333 PC3-10600)
ストレージ SSD 256GB
GPU Intel HD Graphics 4400
パソコンを起動した際に、左上に様々なアプリや下のほうにアイコンが沢山あるバーが表示される。また、通知が入ったりエラーが起きたりするとそれに対応した音を流れます。スマホにおいても同様で、指の本数やそれらの動かし方で画面上では異なったアクションが発生します。
以上のような画面上での操作・表示の方法といったデバイス上の根幹を握るソフトウェアのことをOS(オペレーティングシステム)と呼びます。
本当はもっと細かいことがいろいろありますが、大多数のユーザーにとっては『OS=画面上の操作・表示の方法』と考えても差し支えありません。
例えばパソコンのOSはWindowsとmacOSがツートップで有名だと思います。二つのOSの違いは家電量販店で見てもらえば分かると思うのですが明らかに画面上でのデザインが異なるかと思います。記憶が曖昧ですが、例えばWindowsの場合アプリを拡大縮小したり閉じたりするボタンが右上にあるのに対して、macOSの場合は左上にあったかと思われます。
ここで私のパソコンのOSを見てもらうとWindowsの後ろにもいろいろ書かれているかと思いますが、一応解説しておきます。
Windows 10 Home 64 bit
"10"…OSのバージョン。最新はWindows11。価格.com見た感じ結構Windows11のパソコン出回ってますが、別にWindows10の物を買っても大学生活困らないかと思います。ちなみに昔Windows
XPを使ったことがある人はこの画像を見るともれなくノスタルジーを発症するらしい。
"Home"…Windowsの場合「Home」と「Pro」の二種類があり、後者はいわゆる高機能版。リモートデスクトップ機能とかHyper-V機能(OSの中でOSを起動する)が追加されるが玄人以外要らない。
"64
bit"…32bit版と64bit版がある。CPUの性能によってどちらを選ぶべきか決まる。ノートパソコンはCPUとOSセットなので実質選べない。ちなみに32bit版は搭載メモリ4GB以下と制約があり、メモリ爆食いのZoom授業を受ける大学生にとってお話しにならないので、一応OSが64bit版かどうか確認しておきましょう。
これはパソコンの頭脳とも呼べるところで、これが高性能なほど、高速に計算可能=高負荷な処理を高速で実行できます。CPUを作るメーカーとして現在はIntelとAMDがあります。CPUの性能を見ると、各社で次のように書かれていることが多いです。
Intel Core i5-4200U
AMD Ryzen 5 3500U
"Core または
Ryzen"…ここにはマイクロプロセッサ名が入る。CPUのブランドと言ってもよいでしょう。IntelだとCoreシリーズ、AMDだとRyzenシリーズが現在の主流。
"i5 または
5"…この数字に比例してCPU内部のコア数が増えて、Zoomを開きながらWordでレポートを書く等のマルチタスクが有利になります。三人寄れば文殊の知恵?ということですね。なお、3コアCPUはPhenom
II X3、Athlon II X3とA6-3500(いずれもAMD社)しかないようです。
"4200U または
3500U"…千の位以上はそのCPUのバージョンを表していて、Intelは(12世代)12000番台、AMDは(4世代)5000番台が最新となっている。この部分の数字が大きいほど、内部設計が更新されて高性能であるということです。ただし、Core
iシリーズ11000、10000番台のG型や一部のRyzenなどで例外あり(Core i5
1035G1は10世代、Ryzen 5 3200Gは2世代など)。Core i7とかRyzen
5とか(コア数)だけ注目する人も少なくないが、コア数と同じぐらいこの部分も大事です。それ以外の位はマイナーチェンジを意味するのであまり気にしなくていいです。また、最後の添え字のアルファベットはそのCPUの属性を意味しており、例えば「U」や「Y」は低消費電力型を意味しています。
この数字が大きければ大きいほど一時的に保存できるデータ量が増えて、マルチタスクが有利になる。よく机にたとえられている。
括弧内のDDR3 1333
PC3-10600というのはメモリ規格というもので、気にする部分はDDR3部分だけでOKです。DDR◯の数字が大きければデータ転送が速くなるので、気になる方はメモリ規格が現在主流のDDR4かどうか確認するとよいでしょう。他の部分は気にしたところで体感できるほどの性能差はありません。
重視すべき順番はメモリ容量>DDR◯でしょう。どんなに要領が良い人でも、作業をするのに机が広いに越したことはないです。どうでもいいですが、最近150×75cmの机買いました。奥行結構広いのでめっちゃ捗ります。
アプリ・動画・画像等をどれだけ入れられるかを表す。RAMが机なら、ストレージは本棚かな。ストレージにも種類があって、HDD・SSD・M.2 SSDがあり、右に行くほどデータ転送速度が速くなり、起動時間の短縮、アプリのロードの高速化等の恩恵が受けられる。講義資料のpdfを沢山入れると思うので最低でもSSDで256GB欲しいです。
画像処理特化型CPUのこと。3Dグラフィックスとか深層学習に使われてる。PCでゲームするならとても重要。ノートパソコンの場合、CPUに内蔵されているか主基板上に取り付けられている(オンボード)かのいずれかが多い。大学生活だとあんま高性能なの必要ないので説明はこのぐらいにしておきます(ゲーム目的ならそもそもデスクトップPC買うと思うので)。
PCのスペックにある程度詳しくなったところでTPGメンバーの意見も取り入れてみましょう。事前にTPG内で、使用しているPCに関していくつかの質問をしました。アンケートの参加者は20名です。
このように7:3に綺麗に分かれました。各OSごとに採用した理由についてみてみましょう。
<Windows派>
・工学院だから(Windowsじゃないと授業で操作方法をサポートしてくれない的なことを言われた)(学士2年)
・使い慣れていたから(学士4年)
・Galaxyというスマートフォンを使っていて、windowsだと、パソコンとリンクできるから。(学士1年)
Windows派の多くの解答で見られたのが、各学院で使用するソフトウェアの相性問題によるものでした。工学院の方々が特にこの理由を挙げており、工学院所属の新入生は注意が必要です。
また、使い慣れているOSを選ぶのもよい選び方だと思います。おそらく小中高のパソコン室のPCもWindowsでしょうから、自分のPCを持っていない方でも操作方法などを覚える学習コストを抑えられるのは良いポイントだと思います。
<macOS派>
・憧れ、iPhoneを使っているから。(学士2年)
・かっこいいから(学士2年)
・Apple製品を他にも使用していたから(学士4年)
macOSの良いところってやはりデザインですよね。日本でのスマホのシェアがAndroidよりもiOSほうが高いことからも分かるように、日本の人はApple製品のデザインが好きみたいです。
あと、あるデバイスから他のデバイスにデータを移したり、初期設定をするときに別のデバイスの設定を移したりするときの操作が、Apple製品だと簡単に行えますよね。iPhoneやiPadを持ってる方はMacBookを買ってみると、講義資料などのファイルをApple製品間で共有できてとても便利だと思いますよ!
一番多かったのが家電量販店で、生協やオンラインショップを利用した人はそれぞれ4分の1を占めていました。パソコン専門店や中古店で購入した人はそれぞれ1人しかいませんでした。理由を聞いてみましょう。
・大学で、4年間のサポートがあるから(生協、学士1年)
・スペックとかよくわからなかったので、とりあえず生協のpcにした。(生協、学士2年)
・あまり何も考えず、なんとなく安心だからという理由で買ってしまった。。(生協、学士2年)
・近くて割引が聞いたから(家電量販店、学士2年)
・ポイントがたくさん貯まるから(家電量販店、学士4年)
・コスパが良かったから(オンラインショップ、学士1年)
・早く届くから(オンラインショップ、学士2年)
生協を選んだ人はサポート体制の充実さや安心感を理由にした人が多かったです。お値段が張りますが、どれを選んでもスペックが良いのは安心ですね。
家電量販店やオンラインショップで購入した人は割引やポイントを使っておトクに購入できることを理由にした人が多いです。
パソコンを購入するにおいて何を一番重視したかを聞いたところ、性能orデザインを重視した人が多くの割合を占めていました。また、安さを重視している人は意外と少なかったです。
使用時間1時間未満を切る人はほとんどおらず、図のように使用時間は綺麗に分かれました。東工大は1コマ100分あるため、授業+αで作業してしまえば、スマホに飼われている私たちでも長時間使ってしまいますね。7時間以上使用しているヘビーユーザーが25%いたのは驚きました。
Zoom授業受講やレポート作成は回答者のうちの多くの人が行っていました。Zoom授業はスマホやタブレットでも受講できますが、別の作業がやりにくかったり、ホストが送ってきたファイルをダウンロードできなかったりする問題があるので、複数デバイスで授業を受けるにしてもZoomを開くのはパソコンにしたほうがよさそうですね。
授業資料閲覧が意外にもそこまで高くない割合でした。おそらく授業資料はタブレット等の別デバイスで閲覧しているのかと思います。Zoom授業にある程度慣れてきたらタブレットでノート取って、パソコンでZoomを開く、のように工夫してみるとより快適に授業を受けることができますよ!
・結構軽さは大事かと(学士2年)
・持ち運びしやすい大きさなことや、タッチペンを使って書き込めるかどうかなどもよく検討してから買うべき。(書き込みが出来ないとiPadが欲しくなります)(学士1年)
・重いMacより軽いWindowsの方がが持ち運びに便利だったなあと思ったり(学士2年)
・Windowsにしとけばそんなに困ることはないと思います。Macがおしゃれで憧れるとは思いますが。(学士2年)
・理系ならwindows安定。(学士2年)
・サーフェスしか勝たん(学士2年)
・プログラミング、デザインをしたいならMac買え
工学院でも情通志望ならMacでいい(学士2年)
・ram16gbは絶対つけよう(学士1年)
・メモリは16GB以上を推奨します。(学士1年)
・早くパソコンほしいと思うけど、ちゃんと色々なお店で値段比べて買ったほうがいいと思います!!そんなに焦らなくても最初は大丈夫!(学士2年)
・まずはパソコンについて自分でよく調べよう!(学士4年)
・用途に見合ったスペックのパソコンを買いましょう。パソコンは数年単位で買い替えが必要な消耗品です。(学士4年)
・ケチらないでいいやつを買った方がいいです。(学士1年)
・性能重視・ねだんはケチらないこと(学士1年)
ノートパソコンを購入するときは、性能・デザインのみならず持ち運びやすさも重視すべきだという意見が見られました。また、タブレット機能もついていると書き込めて便利ですね。私のパソコンはモニターをタッチで操作する機能はついていますが、折りたためないため、iPadを購入してしまいました。
基本的にはWindowsを選んでおけば使いやすさやソフトウェア相性の点で間違いないですが、情報系ではmacでよいという声も見られました。生協のアンケートだと情報理工学院の学生はWindowsよりもmac使用者のほうが多く、そもそも工学院(情報通信系除く)以外ではOSの指定が無いので、初めてのPCの一台にmacを選んでもよいかと思います。
また、メモリを16GB以上乗せたほうが良いという意見がありました。3Dモデルや解析系のソフトウェアを動かすと結構メモリ喰いますもんね。ですが、8GBだと一切動かなくなるというわけではないのでご安心を。私も工学院で何回か3DCADのソフトを使って、モデリングや解析を行いましたが、カクカクすぎて使い物にならないということにはなりませんでした。パソコンを授業以外にもバンバン使っていこうと思っている方は16GBに、それ以外の方は8GBにしておいて後々メモリを交換するという方法がよいかと思います。
高い買い物なので、調査・比較検討はもちろん大切ですね。ケチってドンキPCみたいなの買うと痛い目にあいますよ。中古で同じぐらいの値段のPC買ったほうがはるかにマシです。
工学院(情報通信系除く)は絶対Windows。それ以外はmacでもOK。
CPU性能比較表で私のパソコンのCPU性能見てもらうと分かるんですけど、CPU性能を測るPassMarkスコアが2000ほどで、最新のものと比べるとおよそ10分の1ほどの性能しかありません。それでも快適に動作できているので、この辺りを大学生活に耐えうるCPUの最低基準としてみればよいかと思います。まあ最新機種ならほとんど上記の基準を満たしています。
気になるPCのCPU性能が知りたければ「Ctrl」 +
「F」を押してCPU性能を上記のサイトで調べてみるとよいでしょう。2000以上あれば合格です。
8GB以上のものを探しましょう。16GBならなお良い。優先順位は下がるがデータ転送速度にもっとこだわるならDDR4のものを。
SSD 256GB以上。M.2 SSDならなお良い。
Intel HD GraphicsとかAMD Radeon GraphicsとかでOK。つまりCPU内蔵のもので十分。
・Webカメラ
・マイク
ノートパソコンなら必ずついてると思いますが一応。標準装備されすぎてそもそも記載されてないことも多く、不安ですね…。
・Bluetooth(Bluetoothイヤホンで授業聞ける)
・USB
Type-Cコネクタ(Type-Cの有線イヤホンで授業聞ける)
外出先で授業を聞く機会があればこれらは必要ですね。イヤホンジャックのヘッドホンを買わずともスマホのイヤホンで聞くことができます。Lightning勢はゴメンナサイ。
以上の条件でオンラインショップを見て回るといい感じのパソコンが比較的低価格で見つかるかと思います。もちろん他のオンラインショップも見て値段比較をお忘れなく。新入生の皆さんの大学生活のみならずパソコン生活も充実することを願っています。